私たち生活保護業務所管課では、長年にわたり歴代担当者が独自に改修を重ねてきた、マクロを駆使したExcelデータベースを実務に使用しています。しかし、そのシステムは度重なる改修の結果、管理が極めて複雑化・属人化しており、今や一部のExcelに精通した職員でなければ扱えない「ブラックボックス」と化しています。
さらに、年々増加するデータ量は限界に達し(最大ファイルサイズ2GB)、動作は極めて不安定となり、いつデータが破損してもおかしくない、危機的な状況にあります。複雑に絡み合ったシステムは、もはや内部のデータを整理・修正することすら困難であり、万が一の際の復旧は絶望的です。
追い打ちをかけるように、データベースの一つは、国が定める標準準拠システムへ令和8年1月(2026年1月)までに移行することが決定しています。このタイムリミットが迫る中、私たちは今、この「ブラックボックス」と化したExcelファイルの構造を正確に調査・分析し、安全かつ円滑に補修、あるいは新たなシステムへと再構築・データ移行を実現するための、専門的な知見と技術を必要としています。
ブラックボックス化したExcelファイルが、誰にでも迷わず操作できる、シンプルで安定した管理システムへと生まれ変わり、各課でバラバラだった管理手法は完全に統一され、長年蓄積された過去のデータも、一つ残らず、正確に新しい器へと移し替えられている。
開発を目指したいこの新しいシステムは、単なる「その場しのぎ」の解決策ではありません。それは、未来の制度変更を見据えた、戦略的なデータハブです。
将来、国の標準システムへ債権管理機能が統合される際にも、このクリーンで整理されたデータハブから、必要な情報を、いつでも、誰でも、安全かつ円滑に移行させることができます。
目の前の危機を乗り越えるだけでなく、10年、20年先も安心して業務を継続できる、しなやかで強靭な業務基盤を確立する。それが、私たちの実現したい理想の姿です。
(応相談)面談時に希望をお聞かせください。
◎プロジェクトの目的とアプローチ
イメージするプロジェクトは、単なるシステム開発に留まりません。実際に業務を担う現場職員とスタートアップが一体となり、プロトタイプを試用しながら、真に価値のある債権管理の在り方そのものを模索・検証することを目的とします。
・主な検証スコープ
検証においては、以下の項目を視野に入れています。
プロトタイプの構築と実証:
職員による試用とフィードバックを通じて、直感的で効率的な業務フローを確立します。
拡張機能の検討:
帳票の自動出力、業務アラート、ワークフローの最適化など、業務の自動化・高度化に繋がる機能を検討します。
将来のシステム連携の探求:
国が定める標準準拠システムとのAPI連携の技術的な可能性や、その効果を調査・探求し、将来のシステム設計の貴重な参考とします。
・期待する開発スタイルとパートナーシップ
本プロジェクトの成功の鍵は、現場の職員との密な連携にあると考えています。そのため、アジャイルでの開発を希望します。
現在、課題解決のアイデアやご提案を募集しております。