私たちの生活と都市活動を、文字通り"縁の下"で支える下水処理場やポンプ場。これらの施設の大部分は鉄筋コンクリートで造られた水槽構造物で構成されています。
しかし、その多くが高度経済成長期に建設されたものであり、見えないところで劣化が進行しています。例えば、本市の中部浄化センターにある生物反応槽(幅9m×長さ74m×深さ5mのプールが12池)は、昭和50年代に設置されました。
この生物反応槽の劣化状況を正確に把握するための従来の点検・調査方法は、施設の運転を止め、水を抜く「ドライ化」が不可欠です。しかし、それは下水処理場に流入する水量が少ない冬季にしか実施できず、また、仮設の止水壁の設置や、残留する汚泥の処理など、多くの費用と労力、長い時間を要します。この高いハードルが、劣化状況の点検・調査を阻む大きな要因となっているのです。
このような厳しい制約の下で、ドライ化せずに水槽構造物の健全性を迅速かつ効率的に診断できる革新的な技術でのブレークスルーが期待されています。
最適なタイミングで対策を講じるためには、劣化状況を把握することが大切です。
そのための1つの鍵として、私たちは水中ドローンの活用に大きな可能性を見出しています。
しかし、水槽構造物の中の水は濁度が高く、また、下水処理場は硫化水素が発生する特殊な環境です。
私たちが描く理想の姿は、この環境下でも、ドローンに搭載した赤外線や高感度カメラが捉えた不鮮明な画像を、画像鮮明化技術を駆使して解析し、まるでドライ化されたかのように、コンクリート構造物の状態をクリアに可視化できる技術です。
これにより、これまで調査困難だった水中のコンクリート剥離、減肉、微細なクラックといった劣化の初期症状を、ピンポイントで、かつ安全に把握することが可能になると考えています。
この技術が確立されれば、私たちは適切な時期に、最小限のコストで補修計画を立て、施設の寿命を延ばすことができるようになります。
(応相談)面談時に希望をお聞かせください。
ご提案をお待ちしております。
現在、課題解決のアイデアやご提案を募集しております。