浜松市では、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指し、ユニバーサルデザイン(UD)によるまちづくりと、未来を担う子どもたちへのUD教育を推進しています。
その中核を成すのが、小学4年生向けの体験学習「UD施設見学」です。UDに配慮された「アクト通り」を実際に歩き、見て、触れるこの取り組みは、学校現場から非常に高い評価を得ています。
しかし、この価値ある体験学習には、二つの大きな「壁」が存在します。
一つは、見学場所が中心市街地に限定されるための地理的な壁。これにより、郊外の学校の子どもたちが参加しにくいという“教育機会の格差”が生まれています。もう一つは、天候という不確実性の壁です。
私たちはこの課題を解決するため、これまでもネット上の仮想空間でUDを学べるデジタル教材を運用し、多くの子どもたちに学習機会を提供してきました。
ところが、そのデジタル教材が令和7年度(2025年度)から使用できなくなるという、待ったなしの事態に直面しています。このままでは、再び多くの子どもたちがUDを深く体験する機会を失ってしまいます。
私たちは、この危機を、単なる「代替品の開発」ではなく、「次世代の学びへの進化」の機会と捉えています。
参考情報・資料
教室にいながら、まるで浜松の中心市街地「アクト通り」を歩いているかのような、没入感あふれる学び
子どもたちはAR/VR技術を通じて、UD設備をリアルに体験。ただ見るだけでなく、クイズに挑戦したり、友達と発見を共有したりと、ゲーム感覚で夢中になって「ユニバーサルデザイン」の考え方を学んでいきます。
この新しい教材は、特別な機材を必要としません。
教育委員会から配布された、子どもたちの手元にあるタブレット端末で、全ての機能が動作します。クラスの児童全員が一斉にアクセスしても快適に動作する安定性も兼ね備え、先生が安心して授業で活用できる環境が整っている。
そして、この優れた学習体験を、一部の学校だけでなく、市内の全ての子どもたちに届けるために。私たちは、過剰な開発費や維持管理費を抑えた、持続可能なソリューションを求めています。
テクノロジーの力で、地理的にも天候的にも制約なく、すべての子どもたちに最高のUD学習を届ける。
そして、楽しみながら自然と「他者を思いやる心」を育む。
それが、私たちの実現したい理想の学びの場です。
タブレット端末(教育委員会より児童に配布済み)
地理や天候の制約を完全に乗り越え、さらにはAR/VR技術などを活用して、現実の体験を超えるほどの没入感と学びを提供する、革新的なデジタル教材開発という「教育DXの挑戦」
現在、課題解決のアイデアやご提案を募集しております。