浜松市では今、未来の農業を担う新しい才能が、続々と誕生しています。
市の認定を受けて新たに農業の道に進んだ「認定新規就農者」は、令和2年度からの5年間で58人に達しました。彼ら・彼女らは皆、地域に根差し、「もうかる農業」の実現を目指して、日々情熱を注いでいます。
しかし、その意欲的な挑戦の裏側で、私たちは看過できない深刻な課題に直面しています。
同じ作物を作っていても、農業経営者としての経験の浅さから、栽培技術や経営スキルに差が生まれ、結果として農作物の生産量や所得に大きな格差が生じているのです。
この格差は、単なる個人間の問題に留まりません。
最悪の場合、志半ばで経営難に陥り、離農に至るケースも出てきており、これは新規就農者のチャレンジ精神、ひいては本市の農業の未来そのものを揺るがしかねない事態態です。
個々の頑張りだけに依存するのではなく、貴重な才能、そしてこれから続く未来の就農者たちを、地域としてより確かな成功へと導くための新しい仕組みが、今まさに求められています。
◎参考情報 / 資料
新規就農者全員で作り上げる「成功へのビッグデータ」
私たちが目指すのは、一人の成功が、次の誰かの希望へと繋がる、学び合い、成長し続ける農業の未来です。
その鍵となるのが、現在、紙で提出されている年2回の「就農状況報告書」です。この報告書に眠る一人ひとりの貴重な経験や工夫、成功と失敗の記録をデジタル化し、集約します。さらに市内約1000件の認定農業者が作成した農業経営改善計画(現状の営農実績と5年後の経営改善目標)を取り込む。このデータベースを基に、作目ごとの「成功事例」や「収益を上げるためのヒント」をウェブサイトで公開します。これにより、経営に悩む農家は、いつでも先人の知恵にアクセスし、自身の経営改善のヒントを得ることができます。また、これから就農を目指す方にとっては、具体的な目標設定や事業計画の策定に役立つ、信頼できる道しるべとなります。
個々の経験が、点から線、そして面へと繋がり、地域全体の農業を底上げしていく。
誰もが孤独に悩むことなく、安定した経営基盤の上で挑戦を続けられる。
それが、私たちの実現したい理想の姿です。
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・データベースの想定仕様
1) 就農状況報告書のデジタル化: 紙ベースの報告書をデジタル形式に変換
2) データベース構築: 各報告書の情報を統一されたフォーマットでデータベースに入力
3) 作目別分類: データを主要な作目ごとに分類→データを主要な作目ごとに分類し、
新規就農者の営農実績と比較したデータを提供(個人が特定されないよう、データを匿名化)
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(応相談)面談時に希望をお聞かせください。
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